脱法コンソメ¶
2025-04-06公開
玉ねぎとトマトのスープを作ろうと思った。 健康のためである。 最近は健康を意識している。 意識しているだけで特に何もしていないが、スープくらいは作れる。 スープなら腹にたまる。 しかし、包丁は使いたくない。 面倒だからだ。
最近のスーパーには、飴色になるまで炒めたみじん切り玉ねぎのパウチや、トマトのピューレがある。 何と便利な世の中なのか。 昼休み、近くのスーパーで玉ねぎのパウチとトマトのピューレ、そしてそのまま投入できるカレーの具材(ニンジン、タマネギ、ジャガイモ)を手に入れた。 カレーの具にもタマネギが入っているが、些細な問題だ。
材料 - カレールー用カット野菜ミックス(にんじん、玉ねぎ、じゃがいも) - 炒めみじん切り玉ねぎ - トマトピューレ - 水
作り方
- カット野菜ミックス、炒め玉ねぎ、トマトピューレを鍋にすべて投入する。
- 適量の水を加え、火にかける。
- 煮詰まるまで加熱する。
味がしない。
考えてみれば当然だ。玉ねぎのパウチもトマトのピューレも、カレーの具材セットも、いずれも味付けはされていないのだ。
コンソメを買おうと思った。 味付けのためである。 いくら健康志向とはいえ、味のしないスープを啜るほど追い詰められてはいない。 家には昆布だしがあるが、トマトには合わない。 コンソメだ。 この組み合わせならコンソメに決まっている。 仕事終わり、コンソメを求めてスーパーへ向かった。
ところが、コンソメが売っていない。 どこにも売っていない。 法律で禁止されているのか。 コンソメの単純所持は違法なのか。 売場をさまよい、お菓子コーナーまで辿り着いた。 コンソメパンチはあるのに、コンソメそのものはない。 条例で禁止されているのか。
ふと棚を見ると、鶏ガラスープの素があった。 もう、鶏ガラスープでいいだろう。 中華風になるかもしれないが、トマトがなんとかしてくれるはずだ。 鶏ガラスープを鍋に投入し、味見をする。 やっと、まともなスープになった。 コンソメが空けた大穴を、鶏ガラスープで埋め尽くした。
本当にコンソメは売っていないのか。 翌日、目を皿にして売場を探した。 あった。 コンソメは存在した。 出汁や味の素と同じ棚に陳列されていたのだ。
この陳列は合法かもしれないが、消費者を混乱させる行為である。 これは脱法だ。 このような脱法コンソメなど買うものか。 何より、先に鶏ガラスープを使い切らねばなるまい。